飲む美容液とも言われている「オメガ3オイル」ですが、どのような油なのでしょうか?
ここではオメガ3脂肪酸についてご紹介したいと思います。
オメガ3脂肪酸(オイル)とは?
まず、脂質の基礎知識なのですが、脂質は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とにわけられ、その中でも不飽和脂肪酸は大きく3種類に分けることが出来ます。
- オメガ9脂肪酸(オリーブ油やアボガド)
- オメガ6脂肪酸(卵、肉、魚、市販されている油に多い)
- オメガ3脂肪酸(亜麻仁油、えごま油、くるみ、魚など)
人間が必ず食品から摂取しなければならない必須脂肪酸は、リノール酸、アラキドン酸(オメガ6脂肪酸)、αリノレン酸(オメガ3脂肪酸)の3つですが、魚を食べる機会が減っている現代社会ではオメガ3オイルは不足気味、オメガ6系の脂肪酸は逆に摂りすぎだと言われています。
亜麻仁油などの植物オイルに多く含まれる「αリノレン酸」、青魚に多く含まれる「EPA・DHA」はオメガ3脂肪酸に分類されます。
オメガ3オイルは、酸化しやすい、熱に弱いという特徴があります。
魚料理の場合は、加熱処理で約2割減、油料理で約5割栄養素が減るといわれていますので、調理方法にも気をつけたいですね。
また、抗酸化作用のあるビタミンEやビタミンC、ファイトケミカルなどを一緒に摂取することで、体内酸化を防ぐようにするとよいと思います。
オメガ3脂肪酸の効能・効果
脳の6割は脂質から出来ており、その内の約17%がDHA(ドコサヘキサエン酸)が占めているといわれています。
この事からも「DHAを含む脂質が脳にとって非常に重要だ」という事がお分かりになるかと思います。
(DHAについて詳しく書いてあります:脳に係わる栄養素・オメガ3系DHAは?)
オメガ3や油のことを詳しく書いている本はこのようなことも記載されていました。
オメガ3が20%以上含まれてはじめて情報が正しく伝達されるといわれている。実際にアルツハイマー、認知症、ADHDの人は、脳の神経細胞中にオメガ3が非常に少ないことがわかっています。
「病気がイヤなら「油」を変えなさい!―危ない“トランス脂肪”だらけの食の改善法」P.54
また、オメガ3系オイルには血液をサラサラにする効果があり、動脈硬化や血栓予防、中性脂肪の低下に非常に有用であることが分かってきています。
そして、オメガ3系のEPAから作られるプロスタグランジンE3(ホルモンの様な働きをする生理活性物質)には、生理痛やアレルギーの炎症を抑制する効果があると言われています。
オメガ3の主な効果(病気がイヤなら油を変えなさい!より)
- アレルギーを抑制する
- 炎症を抑制する
- 血栓を抑制する
- 血管を拡張する
オメガ3オイルが多く含まれる食品
厚生労働省ではDHAとEPAの合計摂取量が、1日あたり1g以上を推奨しています(18歳以上)。
日本人では、EPA 及び DHA 量を 0. 9g/日摂取している群で有意に、非致死性の心筋梗塞罹患の減少が認められている82)。これに丸め処理を行い、18 歳以上では、1g/日以上の EPA 及び DHA摂取量(魚で約 90 g/日以上)が望まれる。
厚生労働省:「日本人の食事摂取基準」(2010年版)の脂質PDFより
オメガ3オイルが多く含まれる食品には、魚類が上げられますが、特に青魚(イワシやカツオなど)にオメガ3系オイルが多く含まれています。
植物油なら、亜麻仁油、インカインチオイル(グリーンナッツオイル)、えごま油、シソ油などにオメガ3系オイルが多く含まれています。