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脂肪には、体内で作ることができず食べ物から摂取しなければならない必須脂肪酸があり、その代表的なものが、リノール酸とリノレン酸です。

現在日常の生活の中(加工食品・スーパー・外食)で、多く使われていて、摂取しすぎているといわれているのがリノール酸(オメガ6系)のオイルです。

一方、リノレン酸(オメガ3系)のオイルはリノール酸よりも高価で酸化しやすいため、ほとんど含まれていません。

DHAはリノレン酸系列(オメガ3)に属し、植物油や魚から摂取することができます。

しかし、魚を食べる機会が減っている現代食生活において、私たちはDHAやEPAのオメガ3系脂肪酸の摂取が不足気味と言われています。

DHAとEPAは、植物油(α-リノレン酸)から摂取した場合、体内でのDHAとEPAへの変換は活発に行われません。
(変換されるのは10~15%なんだそうです)

多くの動物は体内でα-リノレン酸を原料としてEPAやDHAを生産することができるが、α-リノレン酸からEPAやDHAに変換される割合は10-15%程度である
ω-3脂肪酸 – Wikipedia

植物油から摂取したオメガ3脂肪酸はα-リノレン酸で、次のように変換されていきます。

α-リノレン酸⇒エイコサテトラエン酸⇒EPA⇒ドコサペンタエン酸⇒DHA

魚はこの変換を自身の体内で行っているため、魚からは直接、DHAやEPAを摂取できます

ちなみにリノール酸とリノレン酸の摂取比率は4:1が良いと言われています。

DHAと痴呆症・アルツハイマー病との係わり

DHAが、痴呆症をはじめ、脳の機能障害に効果的に働くことは、すでに多くの研究で明らかにされ、その成果は、逐次、マスコミを通じて一般に広く伝えられてきました。

最新のiPS細胞の研究でもDHAがアルツハイマー病の発症予防に役立つかもしれないと発表されています。

アルツハイマー病患者から作製したiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って、青魚などに多く含まれる「ドコサヘキサエン酸(DHA)」が同病の発症予防に役立つ可能性があることを確認
DHAがアルツハイマー抑制…京大iPS研究所 : 医療ニュース : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)

患者さん由来iPS細胞でアルツハイマー病の病態を解明 iPS細胞技術を用いた先制医療開発へ道筋
京都大学 iPS細胞研究所

DHAが脳に与えている影響は何かしらあると考えられると思います。

オメガ3と脳と統合失調症、その他の精神病との係わり

脳は脳脊髄液の中に漬かっています。精神分裂症の脳が漬かっている脳脊髄液には健康な人のものに比べ、オメガ6(リノール酸)の必須脂肪酸から造られるある種のプロスタグランディンが三倍以上も含まれているそうです。(完全栄養食ガイドP.62より)

この過剰が脳の組織を含め体内の組織に不自然な刺激や炎症を起こすもととなっているようです。

オメガ3不足によるバランス作用の欠如も問題視しています。

(* プロスタグランディン : 血圧降下、血管拡張、胃液分泌抑制、利尿、気管支拡張、骨吸収、抗腫瘍作用などを持ち、あらゆる臓器、組織において局所ホルモンまたは細胞機能調節として作用している化合物。脳の中では神経刺激伝達物質をコントロールしている)

オメガ3の必須脂肪酸が不足している状態の中でビタミンB類を多量に摂取すると、それが残っているオメガ3に行動を起こさせるそうです。しかし、これは一時的なものなんだそうです。

最近の分子矯正医学の医師は精神病患者にビタミン・ミネラル以外に亜麻仁油や魚油のオメガ3系を与えるようになってきています。