腸をダメにする習慣、鍛える習慣 ~腸内細菌を育てて免疫力を上げる30の方法~ (ワニブックスPLUS新書)
腸内細菌の第一人者、藤田紘一郎氏による著書です。
1939年、旧満州ハルビン生まれ。東京医科歯科大学名誉教授。人間総合科学大学教授。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。免疫や伝染病研究の第一人者。
腸内細菌の最新の研究結果が満載!
腸は栄養を吸収する器官であることは知っている方は多いと思いますが、腸管内にいる「腸内細菌」は非常に重要な働きを持っています。
腸内細菌は、病原菌を排除し、食物を消化し、ビタミンを合成しています。人が幸福感を覚えるとき、脳内はドーパミンやセロトニンといった「幸せ物質」が分泌されます。その前駆物質を合成して脳に送っているのも腸内細菌です。また、免疫の働きは、およそ70%を腸内細菌が築いています。P.5
- ビタミンK,B1,B2,B6,B12,ビオチン,葉酸などを合成する
- ハッピーホルモンの前駆物質を合成している
- 免疫力の70%を腸内細菌が築いている
また、腸は「第2の脳」とも言われている重要な器官ですが、地球上の生物の歴史から見てみると、腸のほうが歴史が古いということは非常に興味深かったです。
生物は、歴史上8~9割もの期間を、脳を持たずに生きていたのです。地上の生物が、腸を中心に進化を遂げてきた歴史とも言い換えられます。P.19
生物は脳を持っていない歴史が長かったので、無くても生きていける機能を備えているともいえます。
脳死状態でも生きていけるのは、「腸が生きているから」ということなのですね・・・。
第1章 腸内細菌をダメにする食べ方、鍛える食べ方(目次)
第1章は腸内細菌をダメにする食べ方、鍛える食べ方が分かりやすく書かれています。
- 肥満解消には脂肪細胞の働かせ方が大事
- 脳に従っている限り、ダイエットは成功しない。
- ほどほどの運動とトウガラシで脂肪の燃焼率を上げる。
- 「空腹」「プチ断食」は若返りどころか、生命力を縮める
- お酒を我慢すると早死にする
- タバコを健康のためにやめるのは本末転倒
- 便利な生活は体を老いさせる
- 若者は完全な糖質制限食をしないほうがよい
- 中高年の体は酸素を使ってエネルギーをつくりだす
- 性欲を高めるためには、食べ過ぎない
- 落ちたものを食べると生命力が強くなる
- 好きなものばかりを食べているとうつになる
「落ちたものを食べろ」にはちょっとびっくりしましたが、なるほどな~と感じるところも多かったです。
確かに日本人は衛生状態の悪い国に行けば、お腹を壊したりしますよね。現地の人は大丈夫なのに・・・・。
潔癖症過ぎるのも良くないのですね。
第2章 腸をダメにする食べもの、鍛える食べもの(目次)
第2章は具体的に腸をダメにする食べもの、鍛える食べものについて書かれています。
- スナック菓子は腸内細菌を減らす
- 味噌と納豆が腸内細菌の滋養強壮剤になる
- 腸内細菌を喜ばせるには死んだ善玉菌でもよい
- 腸内細菌の餌になる炭水化物は食べてよい
- 食物繊維をたっぷり食べていると、悪玉菌も良い働きを始める
- ファイトケミカルで病気と老化を遠ざける
- ニンニクとキャベツとキノコでガン細胞の成長を抑制
- 赤ワインとオリーブオイルで動脈硬化を防ぐ
- コーヒーを飲むと長生きホルモンが増える
- 若返りホルモンは納豆とイワシで増える
- 長生きしたければ肉を食べなさい
- 水道水を熱しただけの「白湯」は細胞を傷つける
- 現代人が摂ったほうがよいサプリメント
発酵食品の味噌は味噌でも市販のものは熱処理されているからダメだとか、具体的で勉強になることばかりでした。
第3章 腸をダメにする生活と鍛える生活(目次)
第3章には腸をダメにする生活と鍛える生活について書かれています。
- 「シャワーだけ」がガン細胞の増殖を許す
- 石鹸だけで手洗いをすると風邪をひきやすくなる
- 恋する気持ちを忘れなければ、心が老いることはない
- 「イワシの群れ」の一人にならない
- 「医者いらず」の妙薬は”ポジティブ思考”と”大笑い”
その他コラムには、トランス脂肪酸の危険性、新型栄養失調などがあります。